What is Mocktail ? モクテルとは? vo.2

 こんにちは、鎌田真理です。

 すっかり『モクテル』が普及してきたと感じるこの頃。以前私のモクテルの考えを記述させていただきました。

 再度、モクテルの語源をお話しますと、Mocktailは造語。Mock cocktails の略で、Mock(真似る)+Cocktail(カクテル)から始まったとされています。お酒のカクテルを真似てるということで、お酒の入っていないカクテル、つまりノンアルコールカクテルのことを一般的に指しています。

 では、私の考えるモクテルの定期ですが、『カクテルに負けないモクテル』が前提にあり、アルコールが入っているカクテルのボリュームや複雑な味わいがあるレシピが私の目指すモクテルです。お酒が入っていないのに、入っているような気分になれるようなモクテルなど。

 と、お話をさせていただきました。そして、少しイメージというか『モクテル』という言葉事体を変化させたいなあと思い始めまして。。ここだけの話、海外で『モクテル』という言葉ができた割に、今現在海外では『Mocktail』と言わないらしいのです。。。使用されるにはされるらしいのですが、少し子供じみた雰囲気の言葉になるらしいのです。だからと言って何か他の言葉が生まれたかと言えばそうではない。海外と日本の時差があるので、せっかく日本で『モクテル』が広まってきたのに。。とは言え、日本では数年は 『モクテル』 で全然通用すると思っています。

 最近はカクテルを真似するというより、ノンアルコールで独立させたいと考え始めて、『 Ø proof 』と呼び始めました。プルーフとは証明するという意味があるのですが、アルコール度数を表現する言葉でもあります。ゼロプルーフ=モクテル=ノンアルコールカクテルという意味合いがあります。また、 どこにも属さない、一つのポジションを作る思い。カクテルを真似たモクテルでもない、アルコールでもない。独立したカテゴリーを作る思いでレシピを作成。
  この言葉が普及し始めたら2021年9月24日より呼ばれるようになる(ゼロプルーフの販売開始日)。と受け継がれていくことがあるかは不明ですが、発信を続けていきたいと思います。

鎌田真理とモクテル 

モクテルに関わったきっかけは?

 私がモクテルに関わったきっかけは、2000年頃にNYのバーに行った時、メニューに『モクテル』と載っていたのが、言葉を知ったきっかけです。体質的にお酒が飲めないので、私にとって“モクテル”は本当に特別な存在になっていくのです。
それから、私にとっての “モクテル” はただのソフトドリンク、ジュースで終わらせたくないことが前提にありまして、そのためにはアルコールで表現できる複雑なフレーバーや、口の中に残る余韻などを、アルコール以外でどう表現できるかという事を考えております。それが難しさでもあり、面白さでもあります。

消費者とモクテル

モクテルへの反応は?

 特にこの数年で“モクテル”の認知度があがったため、注目度が高まっていると思います。ご自身で自分の好みを知ろうと、お勉強熱心な方もおり、反応はとてもいいと思います。どのバーでも提供されている定番商品になりそうですし、お酒が飲めない方でもバーを楽しむことができるようになったので、いろんな方がバーに訪れるようになると思います。

ザ・ゼロプルーフ / モクテル

魅力はずばり何?

 無限の可能性。まず、アルコール度数がゼロ度というところで、対象となる人が全てになる。そして、時間帯を選ぶことはないし、内容によってはあらゆるシーンをフォローすることができるかもしれません。そういった意味では無限の可能性がザ・ゼロプルーフ/モクテルの魅力です。

鎌田真理による、簡単モクテルレシピ伝授『NHKひるまえほっと出演』

こんにちは。鎌田真理です。なんと先日NHKの番組『ひるまえほっと』に出演し、おうちで簡単モクテルを伝授させていただきました。

NHKひるまえほっと

ベテランバーテンダー鎌田真理さん伝授!簡単モクテルレシピ

 番組ではノンアルコール市場の普及率、ノンアルコール専門バーがオープンした情報、またスーパーなどの小売りでもノンアルコールの商品を充実させたりと、モクテルがここ数年普及しているというお話を取り上げていました。その中で、お家で簡単に作れるモクテルを紹介させていただきました。本当に素晴らしい機会をいただくことができ、感謝です!視聴者の皆様にも挑戦をしていただきたかったので、簡単かつご家庭の食事にも合わせやすい三種類のモクテルを厳選させていただきました。

ジッピーワイン(Zippy Wine)
まるでプラムワインを飲んでいるような味わい。

ワインに着想してスパイスを加えたモクテル
zippy wine
<材料>
シナモンパウダー    0.1g
クローブ        0.5g(7粒)
スターアニス      2個
ブラックペッパー    0.5g(12粒)
クランベリージュース  200ml

<作り方>
1. ボールなどの容器に材料を全て入れる
2. 二時間くらい冷蔵庫にて置いて、濾してグラスに注ぐ

 食事と合わせるお酒のイメージに上がるであろうワイン。それをイメージさせたモクテルがジッピーワイン。zippyとは、生きの良い、元気のよい、ぴちぴちな意味がありまして、いろんなフレーバーの要素が表立った表現をしたくて、このような名前をつけています。そのフレーバーの要素とは、シナモン、クローブ、スターアニス、ブラックペッパー4種のスパイスたちです。漬け込む時間ですが、二時間としていますが、二時間以上時間をおくかは、スパイスの漬け込み具合をみてお好みで調節をしてください。

 冒頭にワインをイメージしたとは記載していますが、ワインのような苦み(タンニンっぽさ)は加えていません。このモクテルを合わせるのにイメージした料理はお肉で、ベリー系のソースが似合うようなお肉料理です。ベリー系のソースをかけるのではなく、あわせる飲み物でフレーバーを足していくイメージです。例えば、チキンソテー( ベリーソースがけ)、北欧風ミートボール(ベリーソース添え)、豚肉舞茸巻き(ブルーベリーソース)、ラムチョップのソテーベリーベリーソース)のようなお料理がおすすめです。

ティーヴェール(Tea Vert)
お茶をベースにしたゼロプルーフ。

お料理のお供におすすめです
Tea Vert
 <材料> 
煎茶    100ml*
紫蘇    2枚
酢橘    1/4個
*煎茶は水出しを使用。お水375mlに対して、10gの煎茶で水出し2時間。

<作り方>
1. ボールなどの容器にシソの葉を潰す
2. 煎茶を注ぐ
3. 酢橘を搾る
4. 軽く混ぜる

 お家で作れるモクテルの材料として是非チャレンジしていただきたいのが、お茶です。今回は煎茶を使用したモクテルを紹介します。煎茶ベースなので、食事とも相性が良い!それをただのお茶ではなく、いろんなフレーバーを重ねたモクテル。とはいえ、材料は三種類のみ。

 作り方はこちらも簡単。最初の紫蘇の葉を潰すところですが、潰すというより、すり棒などで叩くイメージです。収録では5回ほど叩きました。回数を増やせばより紫蘇の香りを出すことができます。

 紫蘇と酢橘の分量は合わせる料理によって、調整してもいいですね。イメージしたお料理は和食。お刺身のようなフレッシュ感のあるものだと酸を気持ち強めにしたほうがより相性が良くなります。つまり、酢橘の分量を増やします。逆に、クリーム系のものは酸を弱めにします。 食事をしながら、自分で調節できるのもクラフト感があって、楽しんでいただけると思います。

ペッパリーメアリー(Peppery Mary)
セイボリーなゼロプルーフ。

まるでスープのようなトマトジュース。 
食事との相性が抜群です。
Peppery Mary
<材料>
トマトジュース    200ml
チリペッパーパウダー 0.2g
ブラックペッパー   3粒
パプリカパウダー   0.3g
バルサミコ酢     5ml
塩          ひとつまみ

<作り方>
1. グラスに材料を全て入れて、よく混ぜる
2. 氷を入れる

 クラシックカクテルにブラッディマリーというウォッカをベースにトマトジュースを入れたものがあります。そのゼロプルーフ版をイメージしたものです。ペッパリーという名前からもイメージできるように、いろんなスパイスをトマトジュースに入れちゃってます。お酒の ブラッディマリー は塩、胡椒、タバスコ、リーペリンソース、レモンなどが主流ですが、今回はお家お料理で使用しそうなスパイスを使って深みをだしています。また、酸味もレモンではなくバルサミコ酢で表現。辛さや塩味などはお好みで調整してください。

 トマトベースのスープを飲んでいるような味わいなので、相性の良いいお料理も幅が広いと思います。自由にペアリングを楽しんでみてください。セロリスティックをグラスに指したら、本格的なヴァージンメアリーです。

 下記のように一般的にスーパーで売られているもので、0.1g=約2~3振りでした。0.1gまで測れない場合は、それを目安にしてください。

0.1g

=約2~3振り

放送の様子はこちらから
NHKデビューしました。おうちでモクテル。

 放送後ご視聴頂いた方より、こんな世界があったとは知らなかったというコメントを頂きました。近年注目されている分野とは感じていますが、まだまだ知られていない世界。是非一度試してこのモクテル/ゼロプルーフの世界を体験していただきたいと思います。

ニセコ蒸溜所に行ってきました

NISEKO Distillery

みなさん、こんにちは、好奇心旺盛なバーテンダー。鎌田真理です。先日オープンしたての新しい蒸留所ニセコ蒸留所を訪れたので、そちらの情報をシェアさせていただきます。

ニセコ蒸溜所と八海山

2021年10月1日グランドオープンした北海道のニセコ蒸溜所。世界的に有名なスノーリゾート地ですよね。北海道では、すでに有名な余市蒸溜所(1936年~)、比較的新しい厚岸蒸溜所(2016年~)に次ぐ、三つ目のウイスキー蒸溜所になるのでしょうか?素敵な場所なので、この開業の情報を知った時に、是非訪れたいと思ってました。

そして、場所だけでなく、もう一つ興味を持って訪れたい理由があるのです。それは、あの新潟県南魚沼市にある八海醸造が始めたのですよ。もう、素敵すぎます!

私は以前、とあるバーのカウンターで一人で飲んでいた時のことです。お隣にいらっしゃった方と話をしていて。。よくよく伺うと、八海醸造の南雲社長だったのです。その縁もあり、新潟の八海醸造には2回ほど伺い見学をさせていただきました。

という、縁がありましたから、これはニセコに行かねば!と言うことだったのです。

ニセコ蒸溜所見学

看板も素敵なNISEKO DISTILLERY

 見学(90分)は予約制です(動画の撮影はNG)。時間になるとまず、ノンアルコールのウェルカムモクテル。八海山の甘酒にレモンを加えたフレッシュな味わいのモクテルでした。

original welcome mocktail

館内に入ると、バーカウンターから、ショップ、蒸留機まで一望できます。最も特徴的なのは、木をたくさん使用している蒸溜所。

ニセコ蒸留所のポットスチル(フォーサイズ社)

 ニセコ蒸溜所の概要説明が終わると、早速施設内に入って行きます。

“ohoro” GIN オホロジン

ジン用のホルスタイン社のハイブリッド蒸留機

まずは、ジン“ohoro” GINの生産のお話。

 「ohoro(オホロ)」という名は、アイヌ語で“続く”を意味する言葉。ニセコの地で生まれたジンが多くの方に親しまれ、未来永劫続くように、という願いが込められているそうです。

 単式蒸留と連続式蒸留を兼ねそろえた、ハイブリット式蒸留機。ニセコ蒸溜所ではジンを作るのに、右側の単式蒸留機を使用している。ボタニカルとアルコールを漬け込み、翌日蒸留。一度の蒸留で500Lを作成し、アルコール度数70度。加水47度のジンを。銅製。ガスを使用した蒸気で熱を加えている。ジンはウイスキーと違って樽熟が不要だが、蒸留したてはカドが立っていると言うことで、一週間から数週間タンクの中で寝かせてからボトリング。として仕上がったのが「ohoro GIN」。こちらは10月1日より実際に販売されています(当面はニセコエリアのみ)。

 ボタニカルはジンになくてはならない、ジュニパーベリー、そして、オリスルート、リコリスルート、アンジェリカルート、コリアンダー、カモミール、5つの柑橘類グレープフルーツ、ゆず、オレンジ、ライム、レモンのピール。これらは一晩漬け込まず、フレッシュのピールをバスケットに入れてフレーバーを付ける手法をとっている。そして、ニセコらしさということで、自社栽培しているヤチヤナギ(蝦夷山桃)、ニホンハッカ(ホクシン)計13種類を使用。

Botanical

今後はラベンダーなど、ニセコ蒸溜所らしいボタニカルを変えて商品化される予定。

次はウイスキー

malt

100%イングランド産のモルト大麦を使用。ノンピート。1トンの大麦麦芽で500L のニューポットが出来上がる。

粉砕機

粉砕後、殻を残した状態で粉砕。殻が糖化の際のフィルターになるように。

粉砕前(左)と粉砕後(右)

②マッシュタン60度の仕込み水で麦汁を作成。その後濾過する。搾りかすは飼料として使用。

マッシュタン

③木桶にて発酵を行い、アルコール度数7度のもろみをつくる。

木桶下から
木桶上から

蒸留。ポットスチルにて2回蒸留、5000Lのもろみが一回目の蒸留で2000L、20度。二回目の蒸留が500L、65度のウイスキーが出来上がる。

初留釜
再留釜

 粉砕から蒸留まで7日間。そして、3年と熟成。貯蔵庫はニセコの自然で育ませたいということで、あえて空調のない貯蔵庫。

樽貯蔵庫
様々な樽に熟成中のウイスキー

熟成。5種を使用しています。アメリカンオーク新樽日本製、アメリカのバーボン樽、スペインのオロロソシェリーの樽500kg、フランス酒精強化ワイン使用後樽、バーボン樽をホグスヘッドに組み替えたもの。5月から蒸留したものが全て入っている。

バーボン(ワイルドターキー)の中古樽

 合計500樽が収納できる倉庫で、三年で貯蔵庫がいっぱいになる計算。

3年後に樽で一杯になる貯蔵庫

 蒸留所見学のあとは、実際に作られたウイスキーのテイスティング。といっても、樽熟成する前のニューポット(加水前)の貴重なものをテイスティングすることができました。透明な液体ですけど、すでにウイスキーのモルトの香りが漂います。これを数年熟成させたら、どのように変化するのだろうと想像しながら、味わいました。

樽熟成する前のウイスキーの赤ちゃん、ニューポット。
販売されていないウイスキー。

 また、有料で他のものもテイスティングできます。私はこれまた小売りでの商品でない、ウイスキー。米と麦芽を使用したウイスキーをいただきました。米を使用したウイスキーは初めていただきました。

バーとポットスチル

 実際にウイスキーは熟成に3年以上かかるため、発売は2024年以降の見込みらしいので、ウイスキーを飲んだり、購入したりはできないのですが、数年後にまた訪れる理由ができたので、その時まで楽しみです!ニセコに行く機会があればおすすめです。

ニセコ蒸留所公式ホームページ

メスカル専門バー、Bar 若林に行ってきました。

こんにちは、鎌田真理です。蒲田にあるメスカル専門のバー、バー若林に行ってきました!そもそも、メスカルは世界的にトレンド入りしているスピリッツなのですが、日本ではまだまだ知られていないかもしれません。日本でも手に入るメスカルから、日本にはまだ入っていないものまで幅広く取り揃えているバーで、とってもおすすめです!

まず、メスカル(Mezcal)とは、 多肉植物である アガベ(リュウゼツラン)を主原料とするメキシコ特産の蒸留酒の総称のこと。同じような蒸留酒にテキーラがあります。テキーラの方が知られているかもしれませんね。ではテキーラとメスカルの違いについて下記に記載します。

原料
テキーラ:アガベ・アルール
メスカル:アガベ・アルールを含む50種以上のアガベの使用可。トバラ(tobalá), トバジチェ(tobaziche), タペザテ(tepeztate), アロペーニョ(arroqueño), エスパディン(espadín)など。

製造の違い
テキーラ:原料をオーブンに入れて蒸し焼き。その後発酵、蒸留。
メスカル:地中に穴を掘って、溶岩、木、炭などど共に蒸し焼き。(←ここがスモーキーフレーバーの所以。)その後発酵、蒸留。

生産地
テキーラ:5つの州(ハリスコ、ナヤリ、タマウリパス、グアナファト、ミチョアカン)メスカル:9つの州(オアハカ、ドゥランゴ、サカテカス、タマウリパス、グアナファト、サンルイスポトシ、ミチョアカン、ゲレロ、プエブラ)

 メルカルは冒頭でもお話した通り、世界ではトレンドでも日本ではまだまだ。メルカルを豊富に取り揃えているバーも多くはないと思います。でもこのバー若林の若林さんを訪ねれば、たくさんの情報がありますから、頼もしい。ちょうど先月一か月ほど、メキシコに滞在していたので、お土産話や、ハンドキャリーした商品もどっさり!本当にメルカルに対する情熱がすごいです。

レンズ向けるとこのポーズ。親しみやすい若林さん
Vortice Soda with Lemon Peel

最初の一杯は若林さんがアンバサダーを務めるメスカル、ヴォルティス(Vortice)のソーダ割り+レモンピール。シンプルにメスカルを爽やかにいただきます。

今日のお通しはおでん。寒い日にほっこります。
メスカル・テイスティングセット

 メスカルをいろいろ試したいということで、提供していただいたメスカル・テイスティングセット。右から左に向けて上級者の味わいになっていきます。

右:LA LUNA ESPADINCILLO (ルナ・エスペンディンシーヨ) ミチョアカン州 (Michoacan)で作られている。比較的静かなフレーバー。ミントのようなハーブ感を感じる。
中:CHINGA QUEDITO オアハカ州(OAXACA)で作られている。とってもスモーキーなフレーバーが際立った、力強い味わい。
左:CASA TISHISHA  オアハカ州(OAXACA)で作られている。 伝統的な製法を取り入れていいるらしく、乳酸菌のような醗酵した香りのあるまろやかな味わい。でも上級者向け。例えばチーズの中でも羊(シェーブル)やブルーチーズが特徴的な味わいがあるような感じです。確かに今まで味わったことのないメスカルでした。
メスカルペアリングフルーツ

 そして、メスカルと一緒に楽しむことができるプレートをいただきました。

左:パイナップル+グサーノ(芋虫)、4種の唐辛子、お塩を混ぜたもの*自家製
メキシコのお酒って、パイナップルとの相性いいですよね。そこにスパイシー(唐辛子)、ソルティー(塩)と、グサーノ由来の土っぽさてが加わって、メスカルと合わせると完全に口の中でカクテルが仕上がります。どのメスカルとも◎。

中:青りんご+オハサンタHoja Santa(オハ・サンタ)*自家製
オハサンタは英語で Piper auritum 又は、 Mexican pepperleaf と言われており、アメリカからメキシコ原産で葉の大きさは30cm以上にもなるそうです。胡椒の一種で、ハーブ感よりスパイス感があるようなフレーバー。とはいえ、葉を使用しているので、ピーマンのような青いフレーバーもありますので、青りんごとの相性は良い。当然ながらメスカルとの相性もよし。テイスティング3種のなかでは、一番右のルナとの組み合わせが好きでした。

右:オレンジ+SAL DE GRASSHOPPER(サルデグラスホッパー)
先ほどのグサーノ(芋虫)も衝撃的だったのですが、出ました!グラスホッパー。かっこよく言っておりますが、バッタです。バッタと言えばエビのような甲殻類フレーバーを想像したのですが、全く癖がなく、どちらかというとナッツ類のようなフレーバーのお塩です。真ん中の見た目からエビのような味を想像していましたが、香りを裏切らずナッツ類のような風味でした。 真ん中のメスカル(CHINGA QUEDITO)の強めのスモーキーさとの相性が良かったです。 

サルデグラスホッパー以外は、若林さんのお手製ですから感服いたします。

grasshopper salt バッタ塩

 メスカルを使用した現地でも提供しているカクテルは何かと伺うと、ピナコラーダのメスカルツイストだそうです。今回は若林さんレシピのマルガリータのメスカルツイスト、メスカリータをいただきました。隠し味に唐辛子を漬け込んだメスカルをほんの少しくわえたレシピで、スモーキーとスパイシーが上手に融合した味わいでした。スノースタイルにもHoja Santa(オハ・サンタ)を加えています。

メスカリータ

 そして、日本でも世界でもたくさんの方に愛されている、ネグローニ。これのメスカルベースのメスカルネグローニもいただきました。
ベースに選ばれたのは若林さんがアンバサダーをしているブランド、50度のヴォルティス、カンパリ、ラ カンティニ ヴェルモット ロイヤル ルージュ。そして、ガニッシュはレモンピール。メスカルの味わいを最大限に活かされたネグローニ。美味しかったなあ。。。(幸せのため息)

Mezcal Negroni
左からLa Quincinye Vermouth Royal Rouge, Campari, Vortic 50%

 久しぶりのバーライフでワンアンドオンリーな体験をさせていただくことができました。メスカルのこと全く知らなくても大丈夫。バーテンダーの私でもバックバーに並んでいるメスカルわかりませんでしたから。是非、みなさんもこの世界を体験してみてください。

BAR若林公式サイト

Five Palates Negroni / Bar Times カクテル・ルネッサンス

こんにちは、鎌田真理です。今回はBar Times様による、特集企画カクテル・ルネッサンスの第八回【ネグローニ】を担当しました。文章、画像、動画が載っているので、是非見てください。

Bar Times にて紹介されたFive Palates Negroniの動画

ここでは、記事になっていない部分も加えた秘話をお話したいと思います。

オリジナルのネグローニを作成するという課題がありました。下記がレシピです。

【カクテル名】
Five Palates Negroni 
【使用材料】
タンカレー ナンバーテン 30ml
カンパリ 30ml
チンザノ1757ロッソ 30ml
メスカルアハル 5ml
スモークソルトウォータースプレー
【作り方】
ロックグラスに氷を入れ、ビルド。オレンジスライスで仕上げる。
Five Palates Negroni

作成する際に最初にしたのが、単純に今人気のあるものを混ぜてみよう!でした。それがメスカルとアペロールです。メスカルカクテルやアペロールスピリッツァーはとても人気ですから、人気者どうし合わせてみたいなあと思いました。合わせてみたら本当に美味しかったので、幸運なことに、レシピの元は一瞬で仕上がりましたね。

そして、次に考えたのは、なぜこんなに美味しいのだろうか?ということでした。そこで、気が付いたのが五味。カクテルルネッサンスの記事にも記載させているのですが、五味のうち2つのパート(塩味、旨味)を加えて材料一つ一つが、相乗効果、対比効果、抑制効果をするようにしたのです。

 相乗効果は同じ味をもつものを混合したときに、相互に味を強め合う現象のことですが、ここではタンカレー ナンバーテンのフレッシュな柑橘のフレーバーとオレンジスライスの組み合わせ。そして、ベルモットの甘味とフレッシュオレンジフルーツの糖度の組み合わせが相乗効果となっています。対比効果は異なる味を混合したときに、一方または両方の味が強められる現象のことですが、スイカにお塩をかけて甘味を強調するイメージです。ここでは、スモークソルトがベルモットの甘味を強調し、その甘味がタンカレー ナンバーテンの柑橘を強調します。甘(ベルモット、オレンジスライス)→酸(タンカレー ナンバーテン、オレンジスライス)→旨(メスカル)→苦(カンパリ)→塩(スモークソルト)→甘というように全ての材料がそれぞれの味を強調しています。

LA CAVE de Kuheiji|九平次公式ショップ

 それと同時にそれぞれの材料が抑制効果もなしています。酸っぱいレモンに砂糖を加えて食べやすくするイメージですね。タンカレー ナンバーテンの柑橘フレーバーとオレンジスライスの酸をベルモットの甘味で和らげている。そして、ベルモットの甘味はスモークソルトの塩味で和らぐ。酸→甘→塩→苦→旨→酸というように全ての材料がそれぞれの味を和らげています。

 この三つの効果がなして、Five Palates Negroniが完成いたしました。

Bar Tines にて紹介されたタンカレーネグローニ

付録で、私の考える「ネグローニ」をつくる上でのコツやポイントを加えます。

FOR バーテンダー(プロフェッショナル)
-3つの材料の何から氷の上に注ぐのか(最初に入れたものが一番味や香りが出る)
-好みによってジンを多めに作成しても美味しく飲めるものなので分量をどうアレンジするか
-ガニッシュは果汁が加わった方がいいのか、果皮の香りを加えた方がいいのか

FOR  お客様(バーテンダー以外の方)
-シェイクやステアを必要としないカクテルですし、ジン、ビターリキュール、ベルモットそれぞれの好みのブランドで自由に作っても美味しく仕上がるレシピだと思いますので、失敗のないカクテルです。恐れないで混ぜてみることです。
-ビールやワインは栓を空けて飲むのもなので、失敗はないと思います。カクテルは調合や技術なども伴いますから、その中でも失敗しないで美味しく飲むことができるカクテルだと思います。

皆さんも是非ネグローニ楽しんでください!

タンカレーNO.10 ジントニック動画↓

Bar Times にて紹介されたタンカレーNO.10ジントニック

Bottled Mocktial “Botanic Fizz”

Botanic Fizz

 こんにちは、鎌田真理です。近年世界各地で行われている『カクテルウイーク』、ロンドンやシンガポールなどでもたくさんの方にカクテルを楽しんでもらうイベントが行われています。それを日本でも行おうと、2017年より毎年開催されているTokyo cocktail 7 daysバーを楽しみ、クラフトカクテルを味わう祭典です。2020年はイベント会場にてモクテルブースを設け、お客様にモクテルを提供する企画がありました。しかしながら、対面のイベントは中止。その代わりに打ち出したのが、オンラインの『+市場』(イベントは現在終了)、ボトルにしたモクテルをオンラインで販売するという企画です。実はすでに、イベント会場で提供するモクテルのレシピは準備していました。提供出来ないのは残念。また、ボトルにするとなると同じレシピではなく、再考案する必要がでてくる。私にとって、ボトル用のモクテルを考案するという初の試みとなりました。そのボトルドモクテルの開発秘話をお話したいと思います。

クラフトカクテルの祭典、Tokyo Cocktails 7 days
 まずは結果から、実際に販売した作品の紹介です。
『Botanic Fizz』:3種のベリーとレモン、さとうきび糖の自然な甘さが、ミネラル分を含む湧水炭酸水と絶妙なバランス。色鮮やかな目にも楽しいモクテル・フィズ。
原材料:ASODA、さとうきび糖、レモン、ラズベリー、ブルーベリー、ブラックベリー、イエルバブエナ、ローズマリー、アニスヒソップ
味わい:さとうきび由来のほのかな甘さにレモンの酸味が加わった、軽やかでバランスのとれたモクテル。「ASODA」のミネラル豊かな炭酸水が、爽やかにキレ味を添えます。ローズマリーなどのハーブの余韻が心地よく喉と鼻腔をくすぐり、3種のベリーの果実味とあいまって、鮮やかなピンク色に気分もあがります。
Tokyo Cocktail 7 days 『+市場』

 こちらのモクテルは、バーテンダーがレシピを考案し、それを商品化する方とのコラボレーションとなったのですが、今回ご協力いただいた方がmitosayaさん。

mitosaya botanical distillery

mitosaya薬草園蒸留所」による「ASODA」シリーズ
「房総の小江戸」と呼ばれる城下町、千葉県大多喜町にある「mitosaya薬草園蒸留所」。敷地内で栽培している植物や日本全国の果実を原料に用いたオー・ド・ヴィを造る蒸留所として知られています。
「ASODA」は、「mitosaya薬草園蒸留所」が、熊本県の阿蘇で自然と人との強いつながりを活かしたモノづくりを行っているライフスタイルブランド「FIL」とコラボして作られた飲み物です。阿蘇の湧き水に加え、炭酸充填したピュアな「ASODA」の炭酸水を使い、日本を代表するバーテンダーによる、本格的なオリジナルモクテルの商品化が叶いました。

 まず、こちらの企画のお題が
1.ボトルの容量が200ml
2.炭酸水を混和する
ということでした。

 そこで、まず考えたのは本格的なモクテルを楽しんでもらうために、どの素材でカクテルのような複雑なフレーバーをつけていくかでした。
お茶?スパイス?私が今回選んだのはハーブ。なぜなら、リフレッシュなフレーバーを加えたモクテルで、かつ何かアルコールと合わせても楽しめるような味わいにしたかったからです。
また、なるべくたくさんの方に購入しやすいように味わいのイメージがしやすいレシピ(材料)にしたかったのも理由の一つです。

- ジュースの延長で楽しめること
- ジュースとは違う味を楽しんでもらうこと
- イメージしやすい材料の組み合わせにすること
- Webでの販売のため色を鮮やかにすること(写真で判断するため)
- アルコールに合わせても美味しく飲めること

下記が最初に考案したレシピです。

フレッシュローズマリー
フレッシュミント
デルモンテクランベリージュース
フレッシュレモンジュース
シロップ
ティンでハーブをしっかりマドルする。 ソーダ以外の材料を加えて混ぜる。 その後、濾しながら氷の入ったグラスに注ぐ。 ソーダを満たす。 軽く混ぜて、デコレーションを飾る。
カクテル名はThe Art of Botanical
ボタニカルが織りなす技術。ボトルに詰めたという意味です。

 しかしながら、なるべくナチュラルな素材を使用したいということで、デルモンテクランベリージュースは却下。代わりに冷凍クランベリーを使用することを提案しました。
その後サンプルを作成して送り、先方にも企画側にも味わいの確認作業をしていきました。
 コストなどの調整により冒頭に記載したとおり、最終材料はASODA、さとうきび糖、レモン、ラズベリー、ブルーベリー、ブラックベリー、イエルバブエナ、ローズマリー、アニスヒソップに落ち着きました。
 レシピの後はネーミングの問題。ラベルの製造現場よりカクテル名の文字数に限度があり、10文字以内がベストとのことで、Botanic Fizzに変更。ハーブや果実を使用した炭酸“シュワシュワ”が分かり易いかと。

Tokyo Cocktail 7 days 『+市場』

 商品が無事に完成し、早速飲んでみました。感想は、試作時より酸がシャープでローズマリーのフレーバーが弱く感じました。どうやら、シロップにするときと、瓶詰めの後に殺菌のために熱入れをするからか、ハーブの香りがどうしても弱くなるとのこと。また、果実とハーブを潰したのち、ボトリング工程で詰まったりと、濾す作業も苦戦したということを伺いました。 
今後は固体のものや生ものを材料にする際はそのことも考慮するべきだと、とても今回のことで勉強になりました。
 通常バーでカクテルを作成するときは、熱を入れることなんて考えたことなかったですから。
なるべくバーテンダーのオリジナルレシピに仕上げていただいたことは本当に大変だったと思いますし、感謝しています。是非蒸溜所にも伺いたいと思いました。
 なかなか、ボトルドモクテルを作成する機会はないと思うのですが、ないからこそ、ここで記録し、参考にしていただけたらと思います。

誰でもつくれる!下戸バーテンダーの【プロが教える】おうちで簡単モクテルの作り方。コーヒーモクテル 編。

coffee mocktail

こんにちは。カママリナカマリです。
今回作成したモクテルはコーヒーモクテルです。何かデザートと合わせてお茶したいという時、コーヒーにしようか紅茶にしようか迷う時ありませんか?そんな時におすすめのモクテルです。

動画の紹介はこちら↓

<使用材料>
アイスコーヒー
トニックウォーター
洋梨シロップ 少々
オレンジピール* 1個
*分量はアイスコーヒーとトニックウォーターが1:1がおすすめです。
<作り方>
氷を入れたグラスにシロップ、アイスコーヒー、トニックウォーターを注ぐ。軽く混ぜて、オレンジピールで仕上げる。
<味わい>
アイスコーヒーとトニックウォーターの苦みにより、洋梨のフレーバーが少量ながら引き立ちます。苦さっぱりとしたモクテルです。
洋梨のシロップを注ぐ。
アイスコーヒーを注ぐ。
トニックウォーターで満たす。
軽く混ぜる。
オレンジピール。
出来上がり。

このモクテルは、アフターヌーンティのようにいろんな種類のデザートがある場合に合わせるモクテルとして作成しました。フルーツ系、チョコレート系とたくさんの味わいのデザートがあるのが、アフターヌーンティの素晴らしさですが、全てのフレーバーに合わせるのは難しいですよね。そんな時コーヒーをベースにしながら、フルーツのフレーバーをモクテルに加えることによって、だいぶ守備範囲が広がるのです。今回は洋梨のシロップを使用いたしましたが、他のフレーバーのシロップでも試してみてください。もちろん、デザートなしでも楽しめるモクテルです。

オレンジピール/ツイストとは
ここでは、下記の要領で解釈してください。
日本語にするとオレンジの皮/ひねるとなるのですが、カクテルにおいては皮を薄くそぎ(皮と実の間は苦いのでなるべくないほうがいいです。)、それを軽くひねって(ツイスト)表皮のオイル部分をカクテルの香りづけにすることを指します。そして、そのままグラスに入れて飾りにします。

0% NON-ALCOHOL EXPERIENCE ノンアルコールエクスペリエンス

店内の様子が見える入り口。

ノンアルコールバーがオープンしました。

 こんにちは。カママリナカマリです。ノンアルコールだけど、本格的なドリンクを提供するノンアルコールバーが六本木にオープンしました。下戸バーテンダーは行かないと!ということで、少し紹介させていただきます。

店内は完全にバーの雰囲気。

動画での紹介はこちら↓

 店内は海外にいるようなバー。月曜日の16時に行ったのですが、満席。予約されていますか?と聞かれたので、予約をされている方が多いのかもしれません。この時期だからでしょうか?

 カクテル(モクテル)メニューは写真付きで、見た目にも楽しいものばかり。ノンアルコールワインもありました。

Iceland bubble

Iceland Bubble アイスランドバブル
 行く前から絶対に注文するって決めていたカクテル。カクテルグラスに紫色のカクテルが入っていて、そのあとスタッフがガンを液面にめがけてシューっとします。香りのミストを閉じ込めたバブルが乗っかって、本当にかわいい!バブルが弾けると香りが漂って、そして、カクテルを口に運ぶのです。材料はジャスミンティ、パイナップル、ベルジュ*、ジンジャーハニーシロップ。

a real pleasure

A Real Pleasure ゼロ(0)になる
 こちらも魅力的な写真でして。ボトルの中にフルーツ(リンゴ、レモン)、バジル、メープルシロップ、お水、ベチバーウォーター*が入っていて、氷の入ったグラスに注いでいただきました。

nepalade w/ASMR sounds

Nepalade w/ASMR sound ネパレード、流星ジャーニー
ティムットペッパー*、 レモン、ラズベリー、そしてサウンドと共に。
このカクテルを注文すると、サングラスを渡されます。そのサングラスから音が流れ、それを聞きながらという、五感で楽しむカクテル。

サウンドが流れる、サングラスをかけながら、カクテルをいただく。

フードは全てヴィーガン*

バッファローカリフラワーサケディーヤ

 フードも頂きました。バッファローカリフラワーサケディーヤ(カリフラワーとスパイシーバッファローソース)店内で頂いたときに気づいていませんでした。今振り返り、メニューを見ていたら、フードは全てヴィーガンって。。あれだけの味わいと食べ応えでヴィーガンとは罪悪感残りません!

LA CAVE de Kuheiji|九平次公式ショップ

 飲みごたえのあるカクテルとフード、お酒を飲まなくても楽しめるのはありがたいです。気になる方は一度行ってみてください~。

0% NON-ALCOHOL EXPERIENCE  公式ホームページ

ちなみに、会計は現金不可ですので、もし行かれる方はご注意を。

ヴィーガン
肉や魚を食べないベジタリアンはよく知られていると思います。ヴィーガンは更に卵、乳製品を含む、動物性食品を摂取しない、完全採食主義者のことを言います。英語のVegetarianを短縮してVeganとなった。
ベチバー Vetiver
イネ科の多年生草本。インドタミル語で刈るという意味で、刈った部分が特に香りが強く、現地ではそれを使用し、ハーブウォーターを飲んだり、虫よけに使用したりしている。ハーブウォーターは解熱作用があるため、夏に飲むことが多い。と、インドの友人が教えてくれました。
ティムットペッパー Timut Pepper
ネパールに自生するスパイスの一種で、ネパールペッパーとも言われる。強い刺激がありながらも、華やかな柑橘系の香りがするスパイス。

世界を訪れるカクテルペアリング by SG AIRWAYS

 こんにちは。カママリナカマリです。
 世界で数々の受賞歴を持つThe SG Club ファウンダーの後閑氏。彼自身が、世界中を旅した経験をもとに開発されたカクテルペアリングコースを堪能してきました。コロナ禍で海外旅行に行けない中、カクテルと料理を通して、旅行に言った気分になっていただきたい。という思いで始まったこのコース。旅好きの私は、大変興味深いコンセプトです!

 このペアリングコースは地下一階にある“味わって飲む”『Sip』をコンセプトにしたバーにて行われています。コースはビジネスクラス(8コース)とファーストクラス(11コース)の二種類。私はビジネスクラスに搭乗しました。
 席に座るとスタッフがトングでおしぼりを提供します。そうです。早速、機内でサービスを受けているかのような、SG Airwaysの演出が始まっているのです。
 そして、空港のラウンジに見立てて、出発のアナンスのBGM。最初のカクテルはラウンジで待っているときにいただくカクテル。後閑氏(ここからは後閑機長とさせていただきます。)のあいさつと共に旅の始まりです。

ラウンジで飛行機に乗る前のカクテルを一杯。

 驚くことにペアリングのカクテルは全て焼酎ベース。『The SG Shochu』を使用し、前菜、メインディッシュからデザートまで、全てのペアリングカクテルのベースとして相性抜群でした。私は、お酒が飲めないバーテンダーなので、モクテルペアリングコースをいただきました。見た目、全体的なフレーバーはアルコール入りのものと同様なので、十分飲みごたえのあるペアリングでした。

SG SHOCHU

 いよいよ機内に乗り込み、旅をするのですが、場所はフランス・リヨンギリシア・クレタ島に訪れます。

LA CAVE de Kuheiji|九平次公式ショップ

 全ては明かしませんが、いくつかのペアリングを紹介します。二か国目はギリシア・クレタ島。いやあ、リヨンからクレタって、本当に素晴らしいところに行っていますよ。おしゃれすぎます、後閑機長。 私、村上春樹の小説見て、クレタ島か、マルタ島かどちらか行ってみたくて結局マルタ島に行ったのですが、その時以来です『クレタ島』という単語を聞いたのは。
 そのクレタ島のメニューはシーフードのタルタルとクレタ島でしか採れないハーブ、ディタニー*と、マスティハ*がアクセントのカクテル。聞きなれないものが多いのも、その土地のものを知るという旅の楽しさですよね。ちなみに、後閑機長自らカクテル作成し、お料理とカクテルの説明を、コースごとにしていただけます。そして、機長はちゃんと安全な空の旅をお客様に提供しています。8コースのカクテルのアルコール度数も、考えられているのです。

ギリシア・クレタ島のペアリング

 その後、タイ・チェンマイ➡スペイン・へレス➡スイス・チューリッヒ➡アメリカ・ニューオーリンズを訪れました!訪れる国ごとにBGMも変わるので、雰囲気ばっちりです。実際に私はタイのチェンマイ辺りで「もう、海外行きたい!」と機長に伝えていました。

 そして、7か所目はベルギー・アントワープ!こちらの便はコードシェア便で。“ゲストパティシエ”とのコラボペアリングです。ベルギーと言えばビール、チョコレートが印象的です。普通ならビールカクテルにチョコレートデザートですよね。このコラボペアリングは逆なのですよ。カクテルはチョコレートを表現し、デザートがビール味!本当にどこまでもオシャレです。

ベルギー・ワントワープのペアリング。

 ベルギーを訪れた後は、日本・SGに戻ってきます。ここでも素敵なペアリングと演出。ここでビジネスクラスのペアリングが終了。なのですが。。。

 ビジネスクラスの旅が終わったと思ったら、追加でNYとハバナの旅も可能とのことで、即決チケットゲット。それぞれ、場所を変えて楽しみました。
 まずはNYでトランジットということで、チーズケーキペアリングのショット。場所は1Fで、こちらは“気軽に飲む”『Guzzle』をコンセプトのバー。

トランジットはジョンF.ケネディ国際空港で、ショットを楽しみます。

 次に行く最終地点はハバナ。場所は『Savor』へ移します。こちらはシガーとカクテルのペアリングが楽しめる会員制フロア。

旅の最終地点はハバナで梶谷農園のオーガニックハーブのカクテル。

 追加も含めて、10か所訪れた旅、メニューごとにチケットがもらえるのも、パスポートにいろんな国のスタンプがたまっていく感じで楽しかったです。後閑機長のサイン、焼酎のベースごとに色が違っていたり、QRコードは「The SG Shochu」の商品内容にとびます。出国のスタンプには来店日、など本当に細かいところまでこだわっていて、感嘆するばかりです。
 チケット以外にもオリジナル商品や、サプライズ演出など、楽しいことが盛りだくさん。ここではあえて、秘密にしておきます。カクテル美味しい、お料理も美味しい。そして、ペアリングの相性も抜群。大満足の体験でした。

たくさん、いろんな場所を訪れた気分になるチケットの枚数。

 実は後閑氏は今年NYでカクテルペアリングのお店をオープン予定でした。ノンアルコールペアリングもあるから来てと、伺っていたのですが、そう簡単にNYに行けない。。。と思っていたら、まさか渋谷で、ペアリングのコンセプト(今回でしたら、世界を旅する体験)が違えど、素晴らしいカクテルペアリングのコースをいただくことができ、貴重な体験をさせていただきました。コロナ禍だから、というアイデアのメニュー内容は期間限定らしいので、旅好き、カクテル好き、モクテル好き、焼酎好き、食いしん坊の方、みなさん是非『SG Airwaysに搭乗し、世界を旅する』体験をおすすめします。また、メニュー内容は変更するので、また伺いたいと思います。

『SG Airways』世界中を旅している気分を味わえる、The SG Shochu と各国料理のカクテルペアリング。
※完全予約制。

ディタニー
世界中でクレタ島でのみ生息するハーブ。古代は、幸福のハーブと呼ばれていたようで、別名『オレガノ・ディクタムナス』とも呼ばれているそうです。
マスティハ
マスティハの木から採取される天然の樹脂のこと。味に苦みや甘味はないものの、木の香りがとても特徴的。古代ギリシャの時代から、現地ではマスティハを噛み、『チューイングガム』として、記録が残っているようです。

VIRTÙ / ヴェルテュ Four Seasons Hotel Tokyo at Otemachi

バーの個室。カウンターまである個室は凄い!

 こんにちは。カママリナカマリです。
先日オープンした、フォーシーズンズホテル大手町のバー、ヴェルテュに行ってきました。

本棚の奥にバーがあります。本棚の両脇はワインセラー。

 ヘッドバーテンダーが外国人とのことで、フランスの文化と日本の素材やバーテンダーの技術を掛けている、メニューコンセプトでした。残念ながら、ヘッドバーテンダーはまだ入国できていないようで、詳しいお話を伺うことができませんでしたが、メニューが素敵なデザインと構成になっていました。
 カクテルレシピが、コニャックにクルミをインフューズ*してきな粉と合わせるとか、シャルトリューズイエローと電気ブランを国産ウイスキーベースの副材料に選ぶとかです。

メニューはカクテルリストとスピリッツリストに分けられて用意されています。

 まず、カクテルリストの最初は七つの美徳に沿って、オリジナルカクテルがリストされていました。

仁 Low ABV  アルコール低め
 Refreshing リフレッシング
忠義 Classics Redefined クラシック
 Locality ローカル
名誉 Highball ハイボール
 Spirituous アルコールしっかりめ
 Unusual 珍しい
 
 コンセプトに沿って、モクテルもちゃんとありました~。一頁ごとの絵と物語を見るのも、楽しかったです。
 他にもシャンパンカクテル、シェアカクテル、ビール、コーヒー紅茶のリストもありました。シャンパンカクテルにはメロンフロート!ピスコベースにメロンリキュール、シャルトリューズグリーン、シャンパンそしてアイスクリーム。いいですねえ☺
 他に面白い組み合わせは、ウォッカをベースにカルピスとバイオレットリキュール。メロンフロートといい、カルピスといい、よく日本を知っているヘッドバーテンダーです。(どうやら日本語を話されるらしいです。) 

モクテル。HOJICHA ROCK 。

ほうじ茶ロック。ノンアルコールウイスキー、ほうじ茶、メープルシロップ、アロマティックビターズ。まるで、ウイスキーのロックを飲んでいる錯覚をおこします。さっぱりしているけど、スモーキーで深い味。

モクテル。レフゥユモルトゥ。

レフゥユモルトゥ きみのリンゴソーダ、ベルジュ*、季節の果物、蜂蜜。フルーティで果実味をたっぷり感じることができる味わい。

 また、別にスピリッツリストもあり、フランスのスピリッツやコニャックなどもたくさん種類がありました。

バーの店内の一部。
ワインセラー。

 バー以外にもホテル館内の見学ができたので、紹介します。どちらもシンプルで素敵なホテルでした。今度は他の施設も利用したいと思います。

 インフューズとは、吹き込む、しみ込ませる、満たす、湯を注ぐ、煎じる、水に浸す、振り出すという意味があります。カクテルにおいては漬け込むという意味がしっくりきます。
 ここでは、コニャックにクルミを漬け込み、クルミのフレーバーコニャックをカクテルに使用していました。単純に漬け込む製法と、機械を使用し蒸留しながらフレーバーをつける方法などがあります。
 ヴェルジュとは、未熟ブドウを搾ったジュース。フランス語の緑(VERT)とジュース(JUS)で、とても酸味があるジュースです。特にヨーロッパのバーテンダーはレモンやライムの代わりにヴェルジュで酸を足したりしているバーテンダーが多かったです。日本のワイナリーでもヴェルジュを作っているところがありますので、国産を手に入れることもできます。

ホテルオリジナルの消毒液。この時期開業ならではのグッツ。
チャペル。
ウェディングアトリエ。
メニューやカトラリー類のサンプル。
リネン類のサンプル。
お茶もホテルオリジナル。
宴会場。ミーティングセッティングの様子。椅子も会議用で素敵です。
ソーシャルルーム。
ソーシャルルームにはカウンターやキッチンも完備。
ホテル内レストランのテラスからの夜景。

動画でも紹介しています。☟